英語を学ぶということ

There is no royal road to learning. 「学問に王道なし」

英語の習得に関しても多分に漏れず楽な道は有りません。暗記重視、巷で持て囃される効率重視の学習法で得た付け焼刃な知識だけでは本当に使える実践的な英語力を身に付けることはできません。英語は積み上げの教科であると共に、確りとした土台と骨組みが無ければ成果は望めません。スポーツでも正しいフォームで素振りを繰り返さなければ、何千回、何万回素振りを行ったとしても満足の行くレベルには到達できませんし、ステップアップも望めません。同様に、英語は多読と言われて毎日多くの長文を読み、英語は語彙力と言われ一生懸命単語を憶えても問題を解けないのは英語への接し方(練習の仕方)が間違っているからです。構文と呼ばれる文の形を正しく理解し、英語の思考法に沿って次に出現する文の構成要素を予測できる能力を付け、沢山の英文に触れること以外に私達日本人が英語を習得する道はないと思います。 

英文を読んでいて質問をすると「なんとなく意味は分かるけれど」という回答がよく返ってきます。これは、英文を正しく理解しているのではなく、単語の意味を勝手に切り貼りすることで文意を推測しているにすぎません。勿論、個々の文法をマスターしたり、単語を憶えたりするのも大切ですが、獲得した文法の知識を使い、文の構成や修飾関係を確りと紐解ける力をつけることことのほうが遥かに大切です。授業ではイメージに頼るのではなく、構文を読み解き正しい内容を理解する技法を習得していただきます。文の形を予測しながら日本語とは異なる英語の語順に沿って英文を読むトレーニングを重ねることで長文読解への苦手意識を取り除きます。

英語の底力を付けるには、まず脱丸暗記
定期試験では教科書の英文と対訳をセットで憶え、テスト範囲の文法問題と解答をただ丸暗記することでやり過ごす。これでは学校の成績で良い評価を残せたとしても、模試や本番の入試では決して良い結果を残せません。初めて目にする英文を読み、理解し、答えを導き出すには、文の構成や修飾関係などを正しく分析する力が必要となります。英文を正しく読むには中学3年間の履修事項を確りと身に付け、英文を読むときにそれをどのように活用するのかを知る必要があります。学校のテスト範囲のように、比較級、関係代名詞、進行形、完了形などと限られた数項目の文法事項を使うのではなく、全ての知識を動員して、各部でどの知識が必要なのかを見抜く力が入試や模試では要求されます。その力を身に付けるには、実際に英文を時間をかけて考えながら読むといった訓練することが必要となります。伸び悩んでいる皆さんが一番不足しているこの訓練を、成績アップだけを売り物に大量の問題を解かせて、詰込み丸暗記させる塾の学習法に期待するのはまず無理でしょう。短期間で大量に詰め込み記憶された知識は定着せず、どんどん薄れて行きますし、丸暗記では応用も利きません。

TELLCでは自ら考えて英文を読み解くことが楽しいと感じていただける力を付けていただくことを目標としています。純粋に目の前にある英文が正しく理解できる実践的な力を付けることが、受験で一番有効かつ求められているものではないでしょうか。

高校3年生の多くが(70~90%)中学卒業レベルの英語力を備えていないとの調査結果が文部科学省から公表されました。それは指導要録に沿って基礎学力を計るために作成されている共通テスト(旧センター試験)の平均点が6割にも満たないことからも肯けます。その理由は「問題を解くための手掛かりを探すためにに英文を読んでおり、英文を読んで理解して問題を解こうとしない」という真逆に思われる英語への接し方をしているから力がつかないのです。みなさんは心当たりがありませんか?